終活って何だろう?知っておきたい基本の「き」
人生の最終章を自分らしく締めくくりたい。
そんな思いから注目されている「終活」。
これは単に葬儀や相続の準備だけではなく、残された時間を充実させながら、大切な人に迷惑をかけないための総合的な取り組みなんです。
最近では40代、50代から終活始める方も増えていて、「まだ早いかな」と思っている方こそ、実は理想的なスタートタイミングかもしれません。
この記事では、終活の基本から具体的な始め方まで、やさしく解説していきますね。
終活を始めるタイミング、実は「今」かもしれません
「終活なんてまだ早い」
「元気なうちは考えたくない」
こんな風に感じる方、多いんですよね。
私も最初はそうでした。でも、終活は決して「終わり」のための活動ではないんです。
むしろ、これからの人生をより豊かに、自分らしく生きるための準備と言えます。
終活を始めるベストなタイミングは、実は「考え始めたとき」なんです。
特に50代から60代は、まだ元気で判断力もしっかりしている時期。
この時期に少しずつ準備を進めておくことで、将来の不安が軽減され、今を思い切り楽しむ余裕も生まれるんですよ。
年代別の終活スタート事情
50代の方々は、親の介護や相続を経験する中で「自分の子どもには同じ苦労をさせたくない」と終活を始めるケースが多いです。
実際、友人の田中さん(仮名)は、お母さんの認知症をきっかけに自分の終活を考え始めたと言っていました。
60代になると、退職を機に「第二の人生をどう生きるか」という視点から終活に取り組む方が増えます。
時間的余裕ができるこの時期は、自分の棚卸しをするには絶好のタイミングといえるでしょう。
70代以上の方は、より具体的な葬儀や相続の準備に重点を置くことが多いようです。
ただ、この年代になってから始めると、体力や判断力の問題で思うように進まないこともあるため、できるだけ早めの準備がおすすめです。
終活で準備しておくべき7つのこと
終活と一言で言っても、実際には多岐にわたる準備があります。
でも、一度にすべてを完璧にする必要はありません。少しずつ、できることから始めていきましょう。
1. エンディングノートの作成
終活の第一歩として最もおすすめなのが、エンディングノートの作成です。
これは遺言書とは違い、法的な拘束力はありませんが、自分の希望や思いを家族に伝えるための大切なツールになります。
記入する内容は主に以下のようなものです。
・基本的な個人情報(保険や年金の情報など)
・財産の管理や相続に関する希望
・葬儀やお墓についての希望
・大切な人へのメッセージ
・介護や医療に関する希望
市販のエンディングノートを購入してもいいですし、自分でノートを用意して書き始めてもOK。
書きながら自分の人生を振り返ることで、新たな気づきが得られることも多いんですよ。
オススメのエンディングノートの選び方など詳しくはこちらの記事で詳しく紹介していますのでぜひご覧下さい。
ちなみに、私は下記記事で紹介しているデジタルエンディングノートを愛用しています。
感動を残せる!エンディングノートおすすめ6選と選び方のポイント
2. 財産の整理と相続対策
「うちには大した財産がないから…」と思っていても、意外と知らないうちに資産が増えていることもあります。
預貯金、不動産、株式、保険、年金、そして最近では電子マネーやポイントなど、形のない資産も増えていますよね。
まずは自分の財産を一覧にしてみましょう。
どこに何があるのか、パスワードは何か、といった情報を整理することが大切です。
特に、デジタル資産の管理は家族だけでは難しいことが多いので、詳しく記録しておくと安心です。
相続対策としては、公正証書遺言の作成も検討する価値があります。
法的な効力を持つ遺言書があれば、相続トラブルを未然に防ぐことができます。
3. 葬儀やお墓の希望を考える
葬儀やお墓について考えるのは少し気が重いかもしれませんが、自分の希望を伝えておくことで、残された家族の負担を大きく減らすことができます。
最近では、従来の葬儀やお墓以外にも、様々な選択肢が増えています。
家族葬や直葬、樹木葬や散骨など、自分らしい最期の迎え方を選べるようになりました。
私の曽祖父は生前、「派手な葬式はいらない。その分のお金で家族旅行に行ってほしい」と言っていて、実際に亡くなった時は家族だけの小さな式になったそうです。
そして後日、曽祖父の好きだった温泉地に家族で集まり、思い出話に花を咲かせたそうです。
こういった形も素敵だなと思います。
4. 医療・介護についての意思表示
もしもの時の医療や介護についての希望も、元気なうちに考えておくことが大切です。
・延命治療を望むかどうか
・どこで最期を迎えたいか(病院、自宅など)
・介護が必要になったときの希望
これらについて家族と話し合っておくことで、自分の意思が尊重される可能性が高まります。
また、「リビングウィル(事前指示書)」という形で文書にしておくことも一つの方法です。
5. 思い出の整理と伝承
終活は物の整理だけでなく、思い出や人生の知恵を次世代に伝えることも含まれます。
・アルバムや写真の整理
・家系図の作成
・人生の経験や知恵の記録
・大切な思い出の品の整理と意味づけ
これらは単なる「片付け」ではなく、自分の人生を振り返り、価値あるものを次世代につなぐ大切な作業です。
孫に向けて手紙を書いたり、自分史を作ったりする方も増えています。
6. 日常生活の整理と断捨離
物の整理も終活の重要な部分です。長年暮らしていると、知らず知らずのうちに物が増えていきますよね。
断捨離は「いらないものを捨てる」だけでなく、残すものを厳選することで、今の生活もすっきりと快適になります。
特に、書類や衣類、思い出の品などは計画的に整理していくといいでしょう。

一度に全部やろうとすると大変なので、「今日は本棚1段だけ」など、小さな目標から始めるのがコツです。
7. これからの人生設計
終活は「終わり」のためだけではなく、これからの人生をどう生きるかを考える機会でもあります。
・やりたかったことリストの作成
・新しい趣味や学びの計画
・旅行や交流の計画
・社会貢献活動への参加
「残りの人生をどう生きるか」という視点で考えることで、終活は前向きな活動になります。
実際、終活をきっかけに新しい趣味を始めたり、長年の夢だった海外旅行に行ったりする方も多いんですよ。
終活の始め方、最初の一歩を踏み出そう
「終活って何から始めればいいの?」という疑問をよく聞きます。
確かに、いざ始めようと思っても、何から手をつければいいか迷いますよね。
まずはエンディングノートから
最初のステップとしておすすめなのが、エンディングノートの作成です。
市販のものを購入するか、デジタルエンディングノートを活用するのが手軽です。
最初から完璧に埋める必要はありません。
基本情報から少しずつ書き始め、時間をかけて充実させていけばOK。
書きながら自分の考えが整理されていくことも多いです。
実は友人も昨年、母の介護をきっかけにエンディングノートを書き始めました。
最初は「何を書けばいいんだろう」と戸惑っていましたが、書いているうちに「こんなことも伝えておきたいな」と次々思いつくようになりました。
まだ半分も埋まってないそうですが、それでも始めた安心感があると言っていましたよ。
専門家への相談も有効
終活には法律や制度に関わる部分も多いため、専門家のアドバイスを受けることも大切です。
・弁護士や司法書士…遺言や相続に関する法的アドバイス
・ファイナンシャルプランナー…資産管理や相続対策
・終活カウンセラー…終活全般のサポート
・葬祭ディレクター…葬儀やお墓に関するアドバイス
最近では、無料相談会や初回無料のサービスも増えているので、気軽に専門家の知恵を借りることができます。
家族との対話を大切に
終活は一人で黙々と進めるものではありません。
家族との対話を通じて進めることで、互いの理解が深まり、より実効性のある準備ができます。
「終活について話し合いたい」と切り出すのは勇気がいるかもしれませんが、「もしものときのために準備しておきたいことがある」「家族に迷惑をかけたくないから」と伝えれば、多くの場合、家族も理解してくれるものです。
会話のきっかけとして、新聞記事やテレビ番組の話題から持ち出すのも一つの方法です。
「この前、終活の特集をやっていたんだけど、私もそろそろ考えておこうかなと思って…」といった自然な切り出し方がおすすめです。
終活の落とし穴、こんな失敗に注意
終活を進める中で、意外と多い失敗パターンについても知っておくと安心です。
先送りしてしまうケース
「まだ大丈夫」「元気なうちは考えたくない」と終活を先送りにしてしまうのは、最も多い失敗パターンです。
特に健康面や判断力は、いつ変化するか分かりません。
元気で判断力がしっかりしているうちに、少しずつでも準備を進めておくことが大切です。
家族に伝えないケース
せっかく終活を進めても、その内容を家族に伝えていないと、いざというときに活かされないことがあります。
エンディングノートの保管場所や、遺言書の有無など、最低限の情報は家族に伝えておきましょう。
専門的な部分を独断で決めてしまうケース
相続や遺言など、法律に関わる部分は素人判断で進めると、思わぬトラブルの原因になることも。
専門家のアドバイスを受けながら進めることをおすすめします。
デジタル資産を考慮していないケース
最近増えているのが、デジタル資産の管理不足です。
オンラインバンキング、電子マネー、ポイント、SNSアカウントなど、パスワードがないとアクセスできない資産や情報が増えています。
これらの情報も整理しておくことが大切です。
終活サービスの上手な活用法
終活をサポートするサービスは年々充実してきています。
自分に合ったサービスを選んで、賢く活用しましょう。
終活ノート作成サポート
市販のエンディングノートは書店やネットで購入できますが、最近では自治体が無料で配布しているケースも増えています。
お住まいの地域の社会福祉協議会や地域包括支援センターに問い合わせてみるといいでしょう。
また、オンラインで作成・保管できるデジタル終活ノートサービスも登場しています。
更新が簡単で、必要な人とだけ情報を共有できるメリットがあります。
遺品整理・生前整理サービス
物の整理が苦手な方や、大量の荷物を抱えている方には、プロの整理サービスの利用も検討する価値があります。
最近では、単なる片付けだけでなく、思い出の品の整理や写真のデジタル化など、きめ細かいサービスを提供する業者も増えています。
料金体系は業者によって異なりますが、部屋の広さや荷物の量に応じて見積もりを出してもらえます。
複数の業者から見積もりを取って比較するのがおすすめです。
葬儀・お墓の事前相談
葬儀社やお墓の販売会社では、生前相談を受け付けています。
実際に利用するかどうかは別として、選択肢や費用感を知っておくことは有益です。
多くの葬儀社では無料相談会を実施していますし、お墓参りの際に霊園の管理事務所で相談するのもいいでしょう。
また、終活イベントや博覧会なども各地で開催されているので、情報収集の場として活用できます。
相続・遺言の専門相談
相続や遺言に関しては、法律の専門家に相談するのが安心です。
弁護士や司法書士、行政書士などが相談に応じています。
初回無料相談を実施している事務所も多いので、まずは気軽に相談してみるといいでしょう。
また、地域の法律相談会や、自治体が実施している無料相談会なども活用できます。
心穏やかに終活を続けるためのコツ
終活は長い道のりです。
無理せず、自分のペースで進めていくことが大切です。
小さな一歩から始める
終活全体を見ると膨大な作業に思えますが、一度にすべてをやろうとする必要はありません。例えば、
・今週は保険証書を探して整理する
・来月は思い出の写真を整理する
・半年かけてエンディングノートを書く
というように、小さな目標を設定して少しずつ進めていくのがコツです。
前向きな気持ちで取り組む
終活は「終わり」のための準備ではなく、これからの人生をより豊かにするための活動です。

「家族に迷惑をかけない」という消極的な理由だけでなく、「自分の人生を整理して、残りの時間をより充実させる」という前向きな気持ちで取り組むと、終活自体が楽しくなってきます。
仲間と一緒に進める
最近では、終活サークルや勉強会など、同じ関心を持つ人たちと一緒に学び、情報交換できる場も増えています。
一人で黙々と進めるより、仲間と一緒に取り組むことで、新しい気づきや継続するモチベーションが得られることも多いです。
終活で得られる、意外な「今」の充実感
終活は「終わり」のための準備と思われがちですが、実際に取り組んだ方々からは「今の生活が豊かになった」という声も多く聞かれます。
物の整理がもたらす暮らしの快適さ
終活の一環として始めた断捨離が、現在の暮らしをすっきりと快適にしてくれます。
必要なものと不要なものを見極める作業は、物に対する執着を手放し、本当に大切なものに気づくきっかけにもなります。
人間関係の再構築
終活をきっかけに家族や友人との対話が増えると、関係性が深まることも少なくありません。
「もしものとき」の話から始まった会話が、お互いの価値観や希望を知る機会となり、より深い絆が生まれることもあります。
人生の振り返りと新たな目標設定
終活の過程で自分の人生を振り返ることは、自己肯定感を高め、これからの時間をどう使いたいかという新たな気づきをもたらします。
「やり残したこと」に気づいて新しい挑戦を始める方も多いんですよ。
まとめ:今日から始める、あなたらしい終活
終活は決して重たいものではなく、自分らしい人生の締めくくりを考え、残された時間をより充実させるための前向きな取り組みです。
・エンディングノートから始める
・小さな一歩を積み重ねる
・家族とのコミュニケーションを大切にする
・専門家のサポートを活用する
・前向きな気持ちで継続する
これらのポイントを意識しながら、無理せず自分のペースで進めていきましょう。
終活は「終わり」のための準備ではなく、「今」をより豊かに生きるための活動でもあります。
この記事が、あなたの終活の第一歩を踏み出すきっかけになれば嬉しいです。
まずは今日、エンディングノートを手に取ってみませんか?それが、心穏やかな未来への第一歩になるはずです。